職業歌手の声帯微小病変 —垂直方向の位置からみた手術適応について
「はじめに」職業歌手の声帯結節・声帯ポリープなどの声帯粘膜隆起性病変に対しても, 過剰切除や瘢痕形成を可能な限り避けるべく慎重な操作を心がければ, 一般の症例と同じように喉頭微細手術の適応になり得るとされ, 近年はマイクロフラップ技術による報告もある. しかし, 職業歌手におけるごく微小な声帯粘膜隆起性病変に対する具体的な手術適応についての報告はなく, 実際の診療場面では, 「患者の主観的な訴えを, 客観的な声帯の病態と関連付ける」個別的な対応が必要となる. 職業歌手は, 日常会話に支障がなくとも, 歌唱発声のみに不調を訴えることが常である. 歌唱発声では, 音程の跳躍・強弱の調節・非日常的な...
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Veröffentlicht in: | 喉頭 2020/12/01, Vol.32(02), pp.129-145 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」職業歌手の声帯結節・声帯ポリープなどの声帯粘膜隆起性病変に対しても, 過剰切除や瘢痕形成を可能な限り避けるべく慎重な操作を心がければ, 一般の症例と同じように喉頭微細手術の適応になり得るとされ, 近年はマイクロフラップ技術による報告もある. しかし, 職業歌手におけるごく微小な声帯粘膜隆起性病変に対する具体的な手術適応についての報告はなく, 実際の診療場面では, 「患者の主観的な訴えを, 客観的な声帯の病態と関連付ける」個別的な対応が必要となる. 職業歌手は, 日常会話に支障がなくとも, 歌唱発声のみに不調を訴えることが常である. 歌唱発声では, 音程の跳躍・強弱の調節・非日常的な音高や声区の使用など, 話声よりも複雑精緻な喉頭調節タスクが求められるため, 話声には問題が生じない程度の声帯病変でも歌唱特有の発声タスクでは不調を自覚する場合があるとされる. |
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ISSN: | 0915-6127 2185-4696 |
DOI: | 10.5426/larynx.32.129 |