音声治療の役割 - 内転型痙攣性発声障害に対する音声治療の実際と効果

「はじめに」 内転型痙攣性発声障害(adductor spasmodic dysphonia: ADSD)に対し音声治療が適用されることは少なくない. TannerらによればADSD症例のうち音声治療を受けたことのあるものは59% (89例/150例中)であり, 我々もADSD症例の48% (74例/155例)が当科もしくは他施設で音声治療を受けたことを報告した. ただし, この一部は診断および鑑別診断を目的とした音声治療である可能性がある. ADSDには現在のところ確立した診断基準がなく, その診断は必ずしも容易ではない. しかし, 紛らわしい音声および喉頭所見を呈する症例に音声治療を行い正...

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Veröffentlicht in:喉頭 2014-12, Vol.26 (2), p.99-103
1. Verfasser: 石毛美代子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 内転型痙攣性発声障害(adductor spasmodic dysphonia: ADSD)に対し音声治療が適用されることは少なくない. TannerらによればADSD症例のうち音声治療を受けたことのあるものは59% (89例/150例中)であり, 我々もADSD症例の48% (74例/155例)が当科もしくは他施設で音声治療を受けたことを報告した. ただし, この一部は診断および鑑別診断を目的とした音声治療である可能性がある. ADSDには現在のところ確立した診断基準がなく, その診断は必ずしも容易ではない. しかし, 紛らわしい音声および喉頭所見を呈する症例に音声治療を行い正常化すれば機能性発声障害として確実かつ簡便に除外することが出来, 正常化しなければADSDであるとの診断の一助となることが指摘されている. 音声治療がADSDの診断および鑑別診断上有用であることについて専門家の見解はほぼ一致している.
ISSN:0915-6127