甲状軟骨形成術II型成功のための前交連周囲の臨床組織解剖

「はじめに」内転型痙攣性発声障害に対する治療は, ボツリヌス療法, 音声治療, 手術が行われている. 内転型痙攣性発声障害に対する手術の一法として, 前交連を開大し両側声帯を外方へ移動させる甲状軟骨形成術II型の有用性をIsshikiは報告している. 甲状軟骨形成手術は甲状軟骨を操作することによって, 声帯の体積や位置と緊張度を変える手術である. このうち甲状軟骨形成術II型は, 甲状軟骨を正中で切開・離断し両外側へ開大することによって前交連を開大し, 声帯を外方へ移動させることによって過度の声門閉鎖による音声障害を改善させる手術法である. 本研究ではヒト喉頭の連続段階大切片組織標本を用いて前...

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Veröffentlicht in:喉頭 2014-06, Vol.26 (1), p.1-5
Hauptverfasser: 佐藤公則, 松島康二, 一色信彦, 田辺正博, 渡邊雄介, 枝松秀雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」内転型痙攣性発声障害に対する治療は, ボツリヌス療法, 音声治療, 手術が行われている. 内転型痙攣性発声障害に対する手術の一法として, 前交連を開大し両側声帯を外方へ移動させる甲状軟骨形成術II型の有用性をIsshikiは報告している. 甲状軟骨形成手術は甲状軟骨を操作することによって, 声帯の体積や位置と緊張度を変える手術である. このうち甲状軟骨形成術II型は, 甲状軟骨を正中で切開・離断し両外側へ開大することによって前交連を開大し, 声帯を外方へ移動させることによって過度の声門閉鎖による音声障害を改善させる手術法である. 本研究ではヒト喉頭の連続段階大切片組織標本を用いて前交連周囲の組織解剖を検討し, 甲状軟骨形成術II型成功のための, すなわち甲状軟骨を正中で切開・離断し両外側へ開大することによって前交連を開大し, 適切な位置に両声帯を外側移動させるためにはどのような臨床組織解剖に注意すべきか, 手術のコツを考察する.
ISSN:0915-6127