甲状軟骨形成術後に音声の改善が認められなかった症例についての検討

「はじめに」 甲状軟骨形成術I型は片側声帯麻痺や声帯萎縮に対する治療として広く普及している. 現在この手術は治療を行う術者や施設によって様々なバリエーションが存在し, 固定素材もシリコン, Gore-tex(R)に代表されるePTFE (expanded polytetrafluoroethylene)シート1), 水酸化リン酸アパタイト2), チタン3)と様々である. 局所麻酔下の手術が可能で, 他の喉頭枠組み手術の中では比較的容易な手技と考えられているが, なかには音声の改善を得られないばかりかむしろ手術によって音声の悪化を引き起こしてしまう症例も見受けられる. 今回, 他の施設において甲...

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Veröffentlicht in:喉頭 2012-12, Vol.24 (2), p.120-124
Hauptverfasser: 松島康二, 一色信彦, 田辺正博, 井野千代徳, 枝松秀雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 甲状軟骨形成術I型は片側声帯麻痺や声帯萎縮に対する治療として広く普及している. 現在この手術は治療を行う術者や施設によって様々なバリエーションが存在し, 固定素材もシリコン, Gore-tex(R)に代表されるePTFE (expanded polytetrafluoroethylene)シート1), 水酸化リン酸アパタイト2), チタン3)と様々である. 局所麻酔下の手術が可能で, 他の喉頭枠組み手術の中では比較的容易な手技と考えられているが, なかには音声の改善を得られないばかりかむしろ手術によって音声の悪化を引き起こしてしまう症例も見受けられる. 今回, 他の施設において甲状軟骨形成術を施行されるも, 音声の改善を得られなかった為, 一色クリニックを受診した症例を経験した. 要改善点をまとめ報告する. 「症例1」 58歳, 男性 現病歴:胸部大動脈の手術後に左声帯麻痺となり, 平成18年10月に前医でePTFEシートを用いた甲状軟骨形成術を受けた.
ISSN:0915-6127