甲状軟骨形成術I型・チタンプレートによる軟骨片の固定

「はじめに」甲状軟骨形成術I型は, 患側甲状軟骨翼を窓状に切開し軟骨片を内方に圧排し, 患側声帯を内方に移動させる術式である. 従来, 軟骨片の固定には, 甲状軟骨上部の軟骨片, シリコンブロック, ゴアテックスなどが用いられてきた. 近年, 我々も軟骨片の内方移動の程度の調節を行った後の固定に, 入手が容易なことからゴアテックスを用いてきたが, 膜状のゴアテックスが軟らかいためか, 軟骨片の的確な固定は必ずしも容易ではない. 固定用のインプラントの条件として生体親和性, 長期安定性, 易工作性が挙げられる. 我々は, 内方移動させた軟骨片の固定にチタンプレートを用い, チタンプレートが上記条...

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Veröffentlicht in:喉頭 2011, Vol.23 (1), p.26-29
Hauptverfasser: 松島康二, 金沢英哲, 一色信彦, 田辺正博, 枝松秀雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」甲状軟骨形成術I型は, 患側甲状軟骨翼を窓状に切開し軟骨片を内方に圧排し, 患側声帯を内方に移動させる術式である. 従来, 軟骨片の固定には, 甲状軟骨上部の軟骨片, シリコンブロック, ゴアテックスなどが用いられてきた. 近年, 我々も軟骨片の内方移動の程度の調節を行った後の固定に, 入手が容易なことからゴアテックスを用いてきたが, 膜状のゴアテックスが軟らかいためか, 軟骨片の的確な固定は必ずしも容易ではない. 固定用のインプラントの条件として生体親和性, 長期安定性, 易工作性が挙げられる. 我々は, 内方移動させた軟骨片の固定にチタンプレートを用い, チタンプレートが上記条件を満たし, その有用性を確認したので報告する. 「術式」局所麻酔下に患側甲状軟骨翼を露出し, 一色の原法1,2)に従い軟骨を窓状に切開する. 切開した軟骨片は必ず残す(図1). 窓の周囲の内軟骨膜を剥離し, 患者に発声してもらいながら軟骨片の内方移動の程度を決定する.
ISSN:0915-6127