喉頭癌T2症例におけるpermeability indexと放射線治療効果
「はじめに」喉頭癌T2症例においては放射線治療が標準的な治療法とされている. しかし, MRIにて病変が描出可能ないわゆるbulky T2症例における我々の施設での検討結果では, 喉頭温存率は約50%前後であり, MRIにて病変が描出不可能な症例の喉頭温存率(約80%)と比較して明らかに予後が不良であった1). 喉頭癌bulky T2症例において放射線治療効果が何らかの方法で事前に予想可能であれば, 放射線治療効果不良群に対して外科的治療を優先するとか, 強力な化学療法を併用する等のより効果的な治療が選択できると考えられる. 放射線治療効果にたいしては放射線抵抗性を示す低酸素細胞の存在が大きな...
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Veröffentlicht in: | 喉頭 2001/12/01, Vol.13(2), pp.75-77 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」喉頭癌T2症例においては放射線治療が標準的な治療法とされている. しかし, MRIにて病変が描出可能ないわゆるbulky T2症例における我々の施設での検討結果では, 喉頭温存率は約50%前後であり, MRIにて病変が描出不可能な症例の喉頭温存率(約80%)と比較して明らかに予後が不良であった1). 喉頭癌bulky T2症例において放射線治療効果が何らかの方法で事前に予想可能であれば, 放射線治療効果不良群に対して外科的治療を優先するとか, 強力な化学療法を併用する等のより効果的な治療が選択できると考えられる. 放射線治療効果にたいしては放射線抵抗性を示す低酸素細胞の存在が大きな影響を示すとされている2~5). しかし, 腫瘍の酸素分圧を非侵襲的に測定することは非常に困難であり, 実際にほとんど行われていないのが現状である3~5). Gd-DTPA造影dynamic MRIのtime intensity curveを薬理動態解析して得られるpermeability indexは細胞外液と毛細血管の間の物質のpassive transportの速度を表すとされ, 組織酸素分圧との相関が実験的に証明されている6~15). 喉頭癌bulky T2症例18例においてGd-DTPA造影dynamic MRIを行い, これを解析して得られたpermeability indexと放射線治療初期効果の関連を調べ, 放射線治療効果の予測の可能性を検討した. |
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ISSN: | 0915-6127 2185-4696 |
DOI: | 10.5426/larynx1989.13.2_75 |