喉頭癌および下咽頭癌の予後因子としてのAgNOR(Argyrophilic Nucleolar Organizer Region)分布の解析

「はじめに」 近年細胞の増殖能, 分裂能を検索する種々の方法が考案されてきているが, その中でもAgNOR法は有用かつ簡便な方法として注目されている. NOR(Nucleolar Organizer Region)とは, 細胞内のribosomal DNAのloopを形成する構造の名称である. AgNOR(Argyrophilic Nucleolar Organizer Region)とは, 銀コロイド染色によりNOR関連蛋白を特異的に描出したものであるが1), その数が細胞の増殖活性, 生物学的悪性度と相関するという報告があり, 良悪性の鑑別あるいは予後の指標とする試みがなされている2~5)...

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Veröffentlicht in:喉頭 1995, Vol.7 (1), p.31-34
Hauptverfasser: 矢野玄, 中島格, 野村和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 近年細胞の増殖能, 分裂能を検索する種々の方法が考案されてきているが, その中でもAgNOR法は有用かつ簡便な方法として注目されている. NOR(Nucleolar Organizer Region)とは, 細胞内のribosomal DNAのloopを形成する構造の名称である. AgNOR(Argyrophilic Nucleolar Organizer Region)とは, 銀コロイド染色によりNOR関連蛋白を特異的に描出したものであるが1), その数が細胞の増殖活性, 生物学的悪性度と相関するという報告があり, 良悪性の鑑別あるいは予後の指標とする試みがなされている2~5). われわれは喉頭癌および下咽頭癌におけるAgNORの分布と臨床, 病理学的特徴との関連を検討するとともに, 両疾患での予後因子としての有用性について検討した. 「対象および方法」 九州がんセンター頭頸科において, 1982年から1991年までの10年間に手術的治療を行なった, 喉頭癌79例(男性71例, 女性8例), 下咽頭癌53例(男性48例, 女性5例)を対象とした.
ISSN:0915-6127