喉頭ポリープの免疫組織学的観察

「I はじめに」耳鼻咽喉科領域のポリープ病変としては喉頭ポリープは鼻ポリープとともに最もありふれたものである. しかし, 喉頭ポリープは統計学的にみるとそれ程多くはなく, 新来患者の1%に満たない疾患である1). 喉頭ではポリープ病変は声帯を中心に発生することが多いので, 声帯ポリープと呼ばれることがある. 今までに喉頭ポリープを光学顕微鏡学的あるいは電子顕微鏡学的に検討を加えた研究は少なくない1~8). 今回私どもは免疫組織学的手法を用い, 喉頭ポリープに含まれる各種の物質を調べ, ポリープ病変の本態を究明し, その成因について考察を加えたので報告する. 「II 観察材料および方法」喉頭ポリ...

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Veröffentlicht in:喉頭 1990/12/01, Vol.2(2), pp.136-143
Hauptverfasser: 平出, 文久, 李, 雅次, 舩坂, 宗太郎, 栫, 博幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」耳鼻咽喉科領域のポリープ病変としては喉頭ポリープは鼻ポリープとともに最もありふれたものである. しかし, 喉頭ポリープは統計学的にみるとそれ程多くはなく, 新来患者の1%に満たない疾患である1). 喉頭ではポリープ病変は声帯を中心に発生することが多いので, 声帯ポリープと呼ばれることがある. 今までに喉頭ポリープを光学顕微鏡学的あるいは電子顕微鏡学的に検討を加えた研究は少なくない1~8). 今回私どもは免疫組織学的手法を用い, 喉頭ポリープに含まれる各種の物質を調べ, ポリープ病変の本態を究明し, その成因について考察を加えたので報告する. 「II 観察材料および方法」喉頭ポリープ成人患者7名から全身麻酔下で喉頭微細手術時に採取した喉頭ポリープを10%ホルマリンで固定したのち, パラフィンに包埋し切片標本を作製した. そして多あるいは単クロナール抗体を用いた酵素抗体法(PAP法, ABC法)によりケラチン, トランスフェリン, ラクトフェリン, フィブリノーゲン, ビメンチン, 第8因子, EMA(上皮膜抗原), S-100蛋白の有無を光学顕微鏡下で検討した.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.2.2_136