呼吸不全を呈した筋萎縮性側索硬化症に対しLung insufflation capacityトレーニングを実施した一例

「抄録」 【はじめに】筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)は上位・下位運動ニューロンが選択的かつ進行性に変性していく原因不明の疾患である. ALSの呼吸障害は拘束性換気障害であるため, 肺の弾性維持や無気肺の予防・改善, 咳嗽力の維持・増加が必要である. 近年は最大強制換気を指標とした肺容量リクルートメントの実施が提唱されている. 【症例】症例は呼吸不全にて入院し, 気管切開を施行した肺疾患の合併のあるALS症例. 入院中に通常の理学療法に加え, LIC (Lung insufflation capacity: LIC)トレーニングを実施し...

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Veröffentlicht in:相澤病院医学雑誌 2023-07, Vol.21, p.57-60
Hauptverfasser: 鹿川彰文, 鵜飼正二, 近藤清彦, 橋本隆男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」 【はじめに】筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)は上位・下位運動ニューロンが選択的かつ進行性に変性していく原因不明の疾患である. ALSの呼吸障害は拘束性換気障害であるため, 肺の弾性維持や無気肺の予防・改善, 咳嗽力の維持・増加が必要である. 近年は最大強制換気を指標とした肺容量リクルートメントの実施が提唱されている. 【症例】症例は呼吸不全にて入院し, 気管切開を施行した肺疾患の合併のあるALS症例. 入院中に通常の理学療法に加え, LIC (Lung insufflation capacity: LIC)トレーニングを実施した. 肺活量は650ml→760ml, LICは1400ml→1600mlと改善した. 【考察】LICトレーニングにより肺胞が伸張され, 肺および胸郭の柔軟性が一時的に向上したため, 努力肺活量の改善が得られたと考えられる. LICトレーニングは急性期管理, 人工呼吸器管理下のALS症例に対して安全性に配慮し継続的に実施していく意義があると考える.
ISSN:1882-0565