「ER 必携 救急外来Tips 1121」の紹介 : 出版までの道のり
「臨床医は, 一度に目の前の患者さんを一人ずつしか治すことができない. 研究者は, 何万人, 何億人という患者さんを同時に治すことができる. 」これは, 私が学生時代に聞いた, とある研究者の言葉です. かなり研究者サイドに立った考え方ではありますが, 本質を捉えている言葉だと思いました. しかし, 私はその後, 元々目指していた臨床医, 救急医になりました. ER(Emergency Room)で一人一人の患者さんを診療し, 救命救急センタースタッフや初期研修医らとともに切磋琢磨を続け, 臨床医として十数年が経ちました. ERには数多くの診療の落とし穴があるのは, ご存じの通りです. 風邪と...
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Veröffentlicht in: | 相澤病院医学雑誌 2018-07, Vol.16, p.69-72 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「臨床医は, 一度に目の前の患者さんを一人ずつしか治すことができない. 研究者は, 何万人, 何億人という患者さんを同時に治すことができる. 」これは, 私が学生時代に聞いた, とある研究者の言葉です. かなり研究者サイドに立った考え方ではありますが, 本質を捉えている言葉だと思いました. しかし, 私はその後, 元々目指していた臨床医, 救急医になりました. ER(Emergency Room)で一人一人の患者さんを診療し, 救命救急センタースタッフや初期研修医らとともに切磋琢磨を続け, 臨床医として十数年が経ちました. ERには数多くの診療の落とし穴があるのは, ご存じの通りです. 風邪と思ったら髄膜炎, 胃炎と思ったら心筋梗塞, 片頭痛と思ったらくも膜下出血と, こうしたピットフォール(落とし穴)は枚挙にいとまがないでしょう. また, 普通は救急車で受診する患者さんが重症患者だと考えるものですが, 実は救急車で来た患者さんよりも, むしろ歩いて病院を受診してきた患者さんの診療の方が難しい, というのもERに長く携わるものであれば感じるところだと思います. |
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ISSN: | 1882-0565 |