外傷性下直筋断裂による眼球運動障害に対して下直筋縫合手術で改善した1例

「抄録」【背景】眼外傷において外眼筋の障害が単独で認められることは珍しい. また外眼筋断裂では, 中枢側断端が眼窩深部に入り込んで発見することが難しい. 今回外傷性下直筋断裂による眼球運動障害で複視をきたした症例に対して, 受傷後しばらくしてから手術をして, 断端を発見し縫合することで著明な改善が得られたので報告する. 【症例】70歳台 女性 洗濯物を干すために屈みこんだ際にタオル掛けの先端で右眼を打撲し, 当院救急科を受診した. 右眼は上転し, 下転障害のため複視の症状を認め, 眼窩部コンピュータ断層撮影(Computer Tomography: 以下CT)から右眼の下直筋断裂と診断した....

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Veröffentlicht in:相澤病院医学雑誌 2018-07, Vol.16, p.47-50
Hauptverfasser: 今井弘毅, 水口千佳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」【背景】眼外傷において外眼筋の障害が単独で認められることは珍しい. また外眼筋断裂では, 中枢側断端が眼窩深部に入り込んで発見することが難しい. 今回外傷性下直筋断裂による眼球運動障害で複視をきたした症例に対して, 受傷後しばらくしてから手術をして, 断端を発見し縫合することで著明な改善が得られたので報告する. 【症例】70歳台 女性 洗濯物を干すために屈みこんだ際にタオル掛けの先端で右眼を打撲し, 当院救急科を受診した. 右眼は上転し, 下転障害のため複視の症状を認め, 眼窩部コンピュータ断層撮影(Computer Tomography: 以下CT)から右眼の下直筋断裂と診断した. しかし結膜下出血は血腫状で, 抗凝固剤を内服していたこともあり, 受傷後26日目に手術を施行した. 手術では下直筋の断端を発見することができ, 断端同士の縫合を行うことで, 眼位, 眼球運動の著明な改善を認めた. 【結論】眼球損傷や眼窩骨折を伴わない外傷性下直筋断裂という珍しい症例を経験した. 受傷後しばらく経過してから手術を施行したが, 中枢側断端が眼窩深部に入り込んでいなかったこともあり, 断端を発見, 縫合することができ, 良好な結果が得られた.
ISSN:1882-0565