熱湯を用いて作成した温タオルの頻回交換による温熱療法で除痛を得たカバキコマチグモ咬傷の1例
「抄録」カバキコマチグモ咬傷は痛みが強く, 在来種で最も強いと言われている. NSAIDsや麻薬を用いても十分な鎮痛が得られず入院加療を要することがある. 今回われわれはカバキコマチグモ咬傷に対して, 熱湯を用いて作成した温タオルの頻回交換で温熱療法を施行し, 疼痛の改善を得た. 症例は70歳台男性. X年7月深夜にクモに右手掌を咬まれた後, 強い痛みを認め救急外来を受診した. 持参した虫体は, カバキコマチグモであると推定された. 局所の疼痛のみであったため, ロキソプロフェンナトリウム錠を処方され帰宅した. しかし帰宅後も強い疼痛が続き, 帰宅4時間後に再度救急外来を受診した. 来院後ジク...
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Veröffentlicht in: | 相澤病院医学雑誌 2018-07, Vol.16, p.43-45 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」カバキコマチグモ咬傷は痛みが強く, 在来種で最も強いと言われている. NSAIDsや麻薬を用いても十分な鎮痛が得られず入院加療を要することがある. 今回われわれはカバキコマチグモ咬傷に対して, 熱湯を用いて作成した温タオルの頻回交換で温熱療法を施行し, 疼痛の改善を得た. 症例は70歳台男性. X年7月深夜にクモに右手掌を咬まれた後, 強い痛みを認め救急外来を受診した. 持参した虫体は, カバキコマチグモであると推定された. 局所の疼痛のみであったため, ロキソプロフェンナトリウム錠を処方され帰宅した. しかし帰宅後も強い疼痛が続き, 帰宅4時間後に再度救急外来を受診した. 来院後ジクロフェナクナトリウム坐剤50mgを使用したが, 痛みの改善は得られなかった. その後熱湯を用いて作成した温タオルを頻回に交換して当てたところ, 速やかに痛みが軽快した. 約30分間でNRS(Numerical Rating Scale)は10分の8から10分の3へ低下し, 帰宅した. 熱湯を用いて作成した温タオルによる温熱療法で, カバキコマチグモ咬傷の疼痛を緩和することができた. 本法のような温タオルは, どこでもすぐに作成・利用でき, 外来でも比較的手軽に活用することができ, 有用な方法だと考えられた. |
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ISSN: | 1882-0565 |