急性期脳梗塞に対する血管内治療開始時間とJapan Triage and Acuity Scaleにおけるトリアージカラー

「抄録」【目的】Japan triage and acuity scaleでは脳血管障害を疑う症状で来院した場合, 発症4.5時間以内か否かでトリアージカラーが変わる. しかし, 血栓回収術の適応を考慮した場合, 発症時間が4.5時間以上でも緊急性ありと判断する必要性がある. そのため, 急性期脳梗塞患者に対し血栓回収術を行った症例の発症から治療開始時間までの時間を集計し, 今後のトリアージ判定に役立てるよう検証を行った. 【方法】平成27年1月から11月までに急性期脳梗塞のうち血栓回収術を行った症例は26例あり, それらに対し発症から来院, 来院から治療, 来院から治療開始時間までのそれぞれ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:相澤病院医学雑誌 2017-07, Vol.15, p.25-27
Hauptverfasser: 武藤真美香, 小山徹, 蛭田昭子, 齋藤雅樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」【目的】Japan triage and acuity scaleでは脳血管障害を疑う症状で来院した場合, 発症4.5時間以内か否かでトリアージカラーが変わる. しかし, 血栓回収術の適応を考慮した場合, 発症時間が4.5時間以上でも緊急性ありと判断する必要性がある. そのため, 急性期脳梗塞患者に対し血栓回収術を行った症例の発症から治療開始時間までの時間を集計し, 今後のトリアージ判定に役立てるよう検証を行った. 【方法】平成27年1月から11月までに急性期脳梗塞のうち血栓回収術を行った症例は26例あり, それらに対し発症から来院, 来院から治療, 来院から治療開始時間までのそれぞれの平均値および中央値を集計した. 【結果】脳梗塞発症から来院まで中央値は120分, 来院から治療開始までの中央値は110分, 発症から治療開始時間までの中央値は230分であった. 発症から受診まで4.5時間以上の受診者は5例19%であった. 【考察】発症から来院までの中央値は120分で, 発症から4.5時間以上経過してから来院する患者も19%存在した. 発症4.5時間以上であっても, 血栓回収療法などの血管内治療の適応時間を考慮すると, トリアージカラーをレベル2で判定することで血管内治療の開始までの時間を最短にすることができる. 【結語】脳血管障害を疑う症状で, 発症4.5時間以上6時間未満で来院した患者をレベル2で判定することは, 発症から血管内治療の開始時間を最短にすることでき, 早期再潅流時間や再潅流率が向上する可能性が示唆された.
ISSN:1882-0565