呼吸不全患者における抜管後の摂食嚥下障害

人工呼吸後の嚥下障害(postextubation dysphagia:PED)の発症率は、3~62%とばらつきがある。急性呼吸不全(acute respiratory failure:ARF)での発症率は30%程度と言われている。PEDの発症は入院期間の延長や、死亡率との相関が示唆されており、その防止は重要である。PEDに対しての摂食嚥下障害の評価方法としては種々のベッドサイドでの嚥下評価(bed side evaluation:BSE)が存在するが、その正確性も満足のいくものは少ない。しかしアルゴリズムを併用することで、その正確性が高まることが示唆されている。さらにPEDを発症するリスクと...

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Veröffentlicht in:人工呼吸 2022, Vol.39(1), pp.28-35
1. Verfasser: 松本, 朋弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:人工呼吸後の嚥下障害(postextubation dysphagia:PED)の発症率は、3~62%とばらつきがある。急性呼吸不全(acute respiratory failure:ARF)での発症率は30%程度と言われている。PEDの発症は入院期間の延長や、死亡率との相関が示唆されており、その防止は重要である。PEDに対しての摂食嚥下障害の評価方法としては種々のベッドサイドでの嚥下評価(bed side evaluation:BSE)が存在するが、その正確性も満足のいくものは少ない。しかしアルゴリズムを併用することで、その正確性が高まることが示唆されている。さらにPEDを発症するリスクとして、病前からのフレイル、低栄養の存在が挙げられ、可及的に評価し、遅延なく経口摂取を再開することで、廃用によるさらなる誤嚥リスクを減らすことが示唆されている。今後、わが国の高齢患者に対応可能なBSEを含めたスクリーニング法や診断アルゴリズムの開発が期待されている。
ISSN:0910-9927
2436-3103
DOI:10.50903/jsrcm.39.1_28