嗅覚障害の診断と治療

「1. 嗅覚障害の病態」「におい」, 「ニオイ」, 「臭い」, 「匂い」など, においについてさまざまな表現があるが, 医学的使用に際しては「におい」と表記するのが一般的である. 伝導路: におい分子が鼻腔内に入って嗅上皮にある嗅覚受容体(嗅神経細胞)に付着すると, 軸索を介して篩骨篩板を通り, 一次中枢(嗅球にある糸球体)へシグナルが伝達される. 嗅球は, においの選択性を高める(においを仕分ける)機能をもつ. 伝導路の修復過程においてこの回路が混線した病態が異嗅症の病態の一つとして考えられる. 嗅球でにおい情報が処理された後, 糸球体から興奮性投射ニューロンの軸索が嗅索を通り, 二次中枢(...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 2024/02/20, Vol.127(2), pp.135-138
1. Verfasser: 齋藤, 孝博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 嗅覚障害の病態」「におい」, 「ニオイ」, 「臭い」, 「匂い」など, においについてさまざまな表現があるが, 医学的使用に際しては「におい」と表記するのが一般的である. 伝導路: におい分子が鼻腔内に入って嗅上皮にある嗅覚受容体(嗅神経細胞)に付着すると, 軸索を介して篩骨篩板を通り, 一次中枢(嗅球にある糸球体)へシグナルが伝達される. 嗅球は, においの選択性を高める(においを仕分ける)機能をもつ. 伝導路の修復過程においてこの回路が混線した病態が異嗅症の病態の一つとして考えられる. 嗅球でにおい情報が処理された後, 糸球体から興奮性投射ニューロンの軸索が嗅索を通り, 二次中枢(一次嗅覚野)である嗅皮質へ投射され, におい情報と情動・価値が統合される. 嗅皮質からは三次中枢(二次嗅覚野)である前頭葉の眼窩前頭皮質へ投射され, 嗅覚が認識される. 伝導路のいずれの異常も嗅覚障害(olfactory dysfunction)が生じる.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.127.2_135