成人における Pott's puffy tumor 症例

前頭洞炎のまれな合併症である Pott's puffy tumor の一例を報告する. 症例は前頭部手術歴, 外傷歴や基礎疾患のない46歳男性で前額部腫瘤, 顔面腫脹と発熱を主訴に来院した. 前頭骨正中に骨髄炎による溶骨性病変, これに連続する前額部の骨膜下膿瘍と顔面蜂巣炎, 右優位の副鼻腔炎を認めた. 前頭洞と溶骨性病変の連続性はなかったが, 前頭洞炎に伴う骨髄炎と骨膜下膿瘍として, 膿瘍の外切開, 両内視鏡下鼻副鼻腔手術および抗菌薬長期投与で病態は改善し再発を認めず, 10カ月後に溶骨性病変の骨再生が確認された. 本疾患はまれであるが, 頭蓋内合併症を来し致死的となり得る疾患であ...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 2022/05/20, Vol.125(5), pp.892-898
Hauptverfasser: 宇野, 大祐, 丸山, 裕美子, 塚田, 弥生, 北川, 雄基, 吉崎, 智一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:前頭洞炎のまれな合併症である Pott's puffy tumor の一例を報告する. 症例は前頭部手術歴, 外傷歴や基礎疾患のない46歳男性で前額部腫瘤, 顔面腫脹と発熱を主訴に来院した. 前頭骨正中に骨髄炎による溶骨性病変, これに連続する前額部の骨膜下膿瘍と顔面蜂巣炎, 右優位の副鼻腔炎を認めた. 前頭洞と溶骨性病変の連続性はなかったが, 前頭洞炎に伴う骨髄炎と骨膜下膿瘍として, 膿瘍の外切開, 両内視鏡下鼻副鼻腔手術および抗菌薬長期投与で病態は改善し再発を認めず, 10カ月後に溶骨性病変の骨再生が確認された. 本疾患はまれであるが, 頭蓋内合併症を来し致死的となり得る疾患であり, 病態認識と早期対応が重要と考えられる.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.125.5_892