スポーツ・レジャーの気圧変化と耳疾患

「1. はじめに」残念ながらコロナウイルス禍によって延期されてしまったものの東京五輪を控えて, わが国におけるスポーツ熱はますます盛んになっている. 今回は, レジャー・スポーツ, 特にダイビングにおける気圧変化と耳疾患について概説する. 「2. ダイビングで生じる中耳気圧外傷」耳管の圧調整機能不良の状態で外気圧が変化すると, 中耳腔と外界の間に相対的に圧力較差が生じ, 鼓膜・中耳に障害を引き起こす. 中耳腔が陽圧・陰圧いずれの場合も起こり得るが, 特に陰圧になる場合, すなわち潜水の潜行時に障害が起こりやすい. これは, 潜行時は中耳腔気体容積が減少し耳管自体が閉鎖され, 鼻咽腔への空気の流...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2020/11/20, Vol.123(11), pp.1320-1322
1. Verfasser: 濵田, 昌史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」残念ながらコロナウイルス禍によって延期されてしまったものの東京五輪を控えて, わが国におけるスポーツ熱はますます盛んになっている. 今回は, レジャー・スポーツ, 特にダイビングにおける気圧変化と耳疾患について概説する. 「2. ダイビングで生じる中耳気圧外傷」耳管の圧調整機能不良の状態で外気圧が変化すると, 中耳腔と外界の間に相対的に圧力較差が生じ, 鼓膜・中耳に障害を引き起こす. 中耳腔が陽圧・陰圧いずれの場合も起こり得るが, 特に陰圧になる場合, すなわち潜水の潜行時に障害が起こりやすい. これは, 潜行時は中耳腔気体容積が減少し耳管自体が閉鎖され, 鼻咽腔への空気の流出が阻害されやすいためである. 一方, 上昇時および浮上時は中耳腔内の空気が膨張し, 耳管を開放しやすくするため, 降下時に比べトラブルは少ないとされる.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.1320