耳科手術の国際術式分類

「1. はじめに」 耳科手術の改良や新規術式の開発による術後成績向上のためには, 共通の分類や基準を用いての評価や議論が必須となる. 本邦では早くからオトマイクロサージェリー研究会および旧臨床耳科学会の用語委員会より術式分類が提唱され, それを引き継ぐ形で日本耳科学会用語委員会により2000年案, さらにその改定版である2010年案が提唱され広く用いられている. 現在の2010年案は病変へのアプローチ法を主に記した「上鼓室・乳突腔病巣処理を伴う鼓室形成術の術式名称について(2010)」(鼓室形成2010年案)と伝音再建法を記した「伝音再建法の分類と名称について(2010)」(伝音再建2010年...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2020/06/20, Vol.123(6), pp.517-519
1. Verfasser: 山本, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 耳科手術の改良や新規術式の開発による術後成績向上のためには, 共通の分類や基準を用いての評価や議論が必須となる. 本邦では早くからオトマイクロサージェリー研究会および旧臨床耳科学会の用語委員会より術式分類が提唱され, それを引き継ぐ形で日本耳科学会用語委員会により2000年案, さらにその改定版である2010年案が提唱され広く用いられている. 現在の2010年案は病変へのアプローチ法を主に記した「上鼓室・乳突腔病巣処理を伴う鼓室形成術の術式名称について(2010)」(鼓室形成2010年案)と伝音再建法を記した「伝音再建法の分類と名称について(2010)」(伝音再建2010年案)の2種で構成されている. 一方, 国際的に統一された耳科手術の分類は今まで存在せず, 術式に関しての議論が根底不在なまま行われていることがかねてより問題視されていた. それを受けてようやく2017年6月, International Otology Outcome Group (IOOG)が発足, 運営委員会には欧州, 北米, 豪州, 日本が参加し, 検討が重ねられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.517