耳下腺部腫瘍手術における顔面神経本幹同定・処理の基本と骨削開による応用

耳下腺部には, 耳下腺の浅・深葉腫瘍のほか, 顔面神経から発生する神経鞘腫などが発生するが, その術前診断率はいまだ高いとは言えない. また, 一般的な術後顔面神経麻痺率は約20%とされ高い発生率を示す. したがって, この領域の手術では, 顔面神経の同定・処理を含めた基本的な手術手技の習得と, 術中の臨機応変な手技の展開が望まれる. さらに, 顔面神経を外側から圧迫・進展する耳下腺浅葉腫瘍 (多形腺腫や癌など) や, 顔面神経本幹由来の側頭骨外腫瘍 (神経鞘腫) が乳様突起前面に大きく増殖する症例では, 顔面神経本幹の同定や本幹周辺の操作が困難なことが多い. そこで今回, 基本的な顔面神経本...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2020/05/20, Vol.123(5), pp.350-355
Hauptverfasser: 岩井, 大, 鈴木, 健介, 藤澤, 琢郎, 日高, 浩史, 八木, 正夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:耳下腺部には, 耳下腺の浅・深葉腫瘍のほか, 顔面神経から発生する神経鞘腫などが発生するが, その術前診断率はいまだ高いとは言えない. また, 一般的な術後顔面神経麻痺率は約20%とされ高い発生率を示す. したがって, この領域の手術では, 顔面神経の同定・処理を含めた基本的な手術手技の習得と, 術中の臨機応変な手技の展開が望まれる. さらに, 顔面神経を外側から圧迫・進展する耳下腺浅葉腫瘍 (多形腺腫や癌など) や, 顔面神経本幹由来の側頭骨外腫瘍 (神経鞘腫) が乳様突起前面に大きく増殖する症例では, 顔面神経本幹の同定や本幹周辺の操作が困難なことが多い. そこで今回, 基本的な顔面神経本幹の同定法と, われわれが行っている簡便な乳様突起・鼓室骨削開による顔面神経処理法を提示した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.350