再発性多発軟骨炎9症例の臨床検討
再発性多発軟骨炎 (relapsing polychondritis: 以下 RP) は, 軟骨の慢性炎症を主徴とするまれな疾患であり病因は自己免疫応答と考えられている. 本疾患は気道狭窄や心病変など, 診断が遅れると致死的病変の合併もあり得るため早期診断が重要である. 2011年4月~2018年3月までに受診した RP 9例の臨床像を検討した. 症例は, 男性4例, 女性5例, 初診時の年齢は33~84歳で, 症状の出現から診断までに約2カ月~2年を要した. 観察期間は, 約3カ月~7年である. 治療前の臨床所見は, 耳介軟骨炎6例, 多発関節炎3例, 鼻軟骨炎4例, 眼の炎症2例, 喉頭・...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2019/09/20, Vol.122(10), pp.1322-1328 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 再発性多発軟骨炎 (relapsing polychondritis: 以下 RP) は, 軟骨の慢性炎症を主徴とするまれな疾患であり病因は自己免疫応答と考えられている. 本疾患は気道狭窄や心病変など, 診断が遅れると致死的病変の合併もあり得るため早期診断が重要である. 2011年4月~2018年3月までに受診した RP 9例の臨床像を検討した. 症例は, 男性4例, 女性5例, 初診時の年齢は33~84歳で, 症状の出現から診断までに約2カ月~2年を要した. 観察期間は, 約3カ月~7年である. 治療前の臨床所見は, 耳介軟骨炎6例, 多発関節炎3例, 鼻軟骨炎4例, 眼の炎症2例, 喉頭・気管軟骨炎6例, 蝸牛あるいは前庭機能障害2例を認めた. 併存する膠原病として, 腸管ベーチェット病, 関節リウマチ, 原田病を1例ずつ認めた. 診断に際して必ずしも生検は必要ないが, 臨床症状のみで診断基準を満たさない場合には, 病理組織検査が一助となる. しかし基礎疾患に対してステロイドを用いている症例では, 病理検査結果や症状が修飾されている可能性があり注意が必要である. 初回治療は, 耳介病変が主である場合には, 外来での少量ステロイド療法を施行した. しかし気道病変を伴った症例では, ほかの診療科を紹介しステロイド中・大量療法を施行した症例が多かった. 予後は, 8例は生存しているが, 1例は他疾患で死亡された. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.122.1322 |