小児のめまいへの対応
「1. はじめに」小児のめまいの頻度はそれほど高くなく, 一般外来で診察する機会は少ない. 海外の報告では成人および小児での何らかの原因で起きるめまいの有病率はそれぞれ23%および0.4%, 前庭性のめまいは5%および0.05%と報告されており, 成人と比較してその頻度はおよそ100分の一程度と考えられる. 小児では診断に必要なすべての臨床検査を行うことが成人に比較し困難である. また小児にかかる負担を考えると可能な限り, 不必要な検査を避けることが好ましい. 成人のめまいと異なりめまいの訴えを本人から聴取することが難しいため, 家族から情報をいかに聞き出すかが重要となる. 家族に可能性のある...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2019/07/20, Vol.122(7), pp.989-991 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」小児のめまいの頻度はそれほど高くなく, 一般外来で診察する機会は少ない. 海外の報告では成人および小児での何らかの原因で起きるめまいの有病率はそれぞれ23%および0.4%, 前庭性のめまいは5%および0.05%と報告されており, 成人と比較してその頻度はおよそ100分の一程度と考えられる. 小児では診断に必要なすべての臨床検査を行うことが成人に比較し困難である. また小児にかかる負担を考えると可能な限り, 不必要な検査を避けることが好ましい. 成人のめまいと異なりめまいの訴えを本人から聴取することが難しいため, 家族から情報をいかに聞き出すかが重要となる. 家族に可能性のあるめまい疾患についての臨床症状を説明し, 詳細に観察してもらう必要がある. 本邦ではこれまで小児のめまいには起立性調節障害が多いという報告が多かった. 最近の研究では良性発作性めまい症(BPV: benign paroxysmal vertigo), 前庭性片頭痛(VM: vestibular migraine)が高頻度に見られるといわれている. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.122.989 |