3者併用療法による突発性難聴 Grade 4 の予後因子について~続報

全身ステロイド療法と高気圧酸素療法および鼓室内ステロイド療法の3者併用療法により, 治療された突発性難聴 Grade 4 の治療成績と, 治療成績に影響を与える予後因子の有効性について検討をした. 対象を2010年8月~2017年9月まで当院に初回入院治療された突発性難聴 Grade 4: 136例とした. 治療成績を検討し, さらに治療成績にかかわる予後因子 ① 年齢 ② 治療開始までの日数 ③ 治療前聴力レベルについて, 多重ロジスティック回帰分析を行った. また上記3因子のカットオフ値を受診者動作特性曲線から求めその有効性について検討をした. 突発性難聴 Grade 4: 136例の治療...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2019/05/20, Vol.122(5), pp.757-763
Hauptverfasser: 河野, 敏朗, 湯田, 惠子, 石戸谷, 淳一, 生駒, 亮, 桑原, 達, 折舘, 伸彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:全身ステロイド療法と高気圧酸素療法および鼓室内ステロイド療法の3者併用療法により, 治療された突発性難聴 Grade 4 の治療成績と, 治療成績に影響を与える予後因子の有効性について検討をした. 対象を2010年8月~2017年9月まで当院に初回入院治療された突発性難聴 Grade 4: 136例とした. 治療成績を検討し, さらに治療成績にかかわる予後因子 ① 年齢 ② 治療開始までの日数 ③ 治療前聴力レベルについて, 多重ロジスティック回帰分析を行った. また上記3因子のカットオフ値を受診者動作特性曲線から求めその有効性について検討をした. 突発性難聴 Grade 4: 136例の治療成績は, 治癒21例 (15.4%), 著明回復71例 (52.2%), 回復31例 (22.8%), 不変13例 (9.6%)で回復以上の有効率は90.4%であった. 多重ロジスティック回帰分析では, 治療前聴力レベルが治療成績に最も有意に影響を与えていた. カットオフ値は 104dB であった. 104dB 以下では 105dB 以上に比較して全周波数で聴力レベル改善が有意に良好であった. 3者併用療法による突発性難聴 Grade 4 では, 治療前聴力レベルが治療成績に最も有意に影響を与えておりカットオフ値 104dB は予後予測に有効であった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.122.757