軟骨伝導補聴器の特徴と適応

「1. 軟骨伝導とは」音の伝導経路についてはこれまで気導, 骨導の2経路に分類されてきた. 聴覚医学会の用語集では気導は音が外耳と中耳を通して内耳へ伝えられること, 骨導は音が頭がい(蓋)骨と軟部組織の機械振動を通して内耳へ伝えられることと定義されている. 細井は2004年に振動子を耳の軟骨, 特に耳珠に接触することで良好な聞こえが得られることを発見し後に軟骨伝導と名づけた. 軟骨伝導による聞こえは気導, 骨導と異なる特徴があることから両者とは異なる音の伝導経路であると考えられた. 正常な耳に対して軟骨伝導で音を与えると理論的には 1) 軟骨の振動が頭蓋骨に伝わり骨導として聞こえる軟骨骨導経路...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2018/10/20, Vol.121(10), pp.1306-1308
1. Verfasser: 西村, 忠己
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 軟骨伝導とは」音の伝導経路についてはこれまで気導, 骨導の2経路に分類されてきた. 聴覚医学会の用語集では気導は音が外耳と中耳を通して内耳へ伝えられること, 骨導は音が頭がい(蓋)骨と軟部組織の機械振動を通して内耳へ伝えられることと定義されている. 細井は2004年に振動子を耳の軟骨, 特に耳珠に接触することで良好な聞こえが得られることを発見し後に軟骨伝導と名づけた. 軟骨伝導による聞こえは気導, 骨導と異なる特徴があることから両者とは異なる音の伝導経路であると考えられた. 正常な耳に対して軟骨伝導で音を与えると理論的には 1) 軟骨の振動が頭蓋骨に伝わり骨導として聞こえる軟骨骨導経路(≒骨導), 2) 軟骨部外耳道の振動で外耳道内に音が発生し, 経鼓膜的に音が伝わる軟骨気導経路と 3) 振動子の周囲に生じた音が外耳道内に入り通常の気導経路で聞こえる(この現象は骨導で音を呈示した時にも生じている)直接気導経路(≒気導)の3経路が想定される.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.1306