呼気終末二酸化炭素分圧と船酔いの感受性の関連: 南極海航海での検討

「はじめに」: 動揺病は反復する嘔吐や強い倦怠感などを生じ, 非常に苦痛を与える疾患である. 動揺病の研究においては重症度などの客観的な指標の確立が望まれるが, 広く利用され得る客観的指標はこれまでのところあまり出てきていない. 近年, 自動車などを用いた実験で呼気終末二酸化炭素分圧(以下EtCO2)が動揺病の発症時に低下するという報告がある. 船での動揺刺激は強い動揺病症状を引き起こすことが知られており, 特別に視覚刺激などを負荷しなくても動揺病を誘発し得るため, 自然な形での症状を観察することが可能である. 船上実験で動揺病とEtCO2の間に有意な関係がみられれば, EtCO2の動揺病の客...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2018/05/20, Vol.121(5), pp.722-723
Hauptverfasser: 長谷川, 達央, 大江, 洋文, 瀧, 正勝, 坂口, 博史, 平野, 滋, 和田, 佳郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」: 動揺病は反復する嘔吐や強い倦怠感などを生じ, 非常に苦痛を与える疾患である. 動揺病の研究においては重症度などの客観的な指標の確立が望まれるが, 広く利用され得る客観的指標はこれまでのところあまり出てきていない. 近年, 自動車などを用いた実験で呼気終末二酸化炭素分圧(以下EtCO2)が動揺病の発症時に低下するという報告がある. 船での動揺刺激は強い動揺病症状を引き起こすことが知られており, 特別に視覚刺激などを負荷しなくても動揺病を誘発し得るため, 自然な形での症状を観察することが可能である. 船上実験で動揺病とEtCO2の間に有意な関係がみられれば, EtCO2の動揺病の客観的指標としての有用性を示し得ると考えた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.722