前弯を伴う鼻中隔弯曲症に対する Hemitransfixion approach の検討
前弯を伴う鼻中隔弯曲症では, hemitransfixion approach を用いることで鼻中隔軟骨尾側端を観察した上での鼻中隔矯正術が可能となる. その際, 鼻腔前方から尾側端における鼻中隔軟骨の形態を観察し, 軟骨尾側端の弯曲を認めない場合を Type A, 尾側端の弯曲を認める場合を Type B, 軟骨尾側端が前鼻棘から脱臼している場合を Type C と分類する. Type A と判定した場合は軟骨尾側端を batten graft により補強する. Type B または Type C と判定した場合は前鼻棘から軟骨尾側端をいったん離断し (Type C では不要), 余剰軟骨を...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2018/05/20, Vol.121(5), pp.664-672 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 前弯を伴う鼻中隔弯曲症では, hemitransfixion approach を用いることで鼻中隔軟骨尾側端を観察した上での鼻中隔矯正術が可能となる. その際, 鼻腔前方から尾側端における鼻中隔軟骨の形態を観察し, 軟骨尾側端の弯曲を認めない場合を Type A, 尾側端の弯曲を認める場合を Type B, 軟骨尾側端が前鼻棘から脱臼している場合を Type C と分類する. Type A と判定した場合は軟骨尾側端を batten graft により補強する. Type B または Type C と判定した場合は前鼻棘から軟骨尾側端をいったん離断し (Type C では不要), 余剰軟骨を切除した上で軟骨または骨を用いた batten graft による尾側端の再建を行う. Hemitransfixion approach を施行し術後3カ月時に CT 評価を施行した30例について, 画像解析を用いて前弯の変化に関する評価を行った. その結果, Type A の前弯改善率は72.7%に留まったのに対し, Type B および Type C ではそれぞれ87.5%, 90.9%とより良好な結果が得られた. Type A であっても一部の症例では, 尾側端に負荷する力が増大して術後に前弯が顕在化する可能性を考慮し, 前鼻棘から軟骨尾側端をいったん離断した上で尾側端を再建する必要があると考えた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.121.664 |