急性低音障害型感音難聴の診断と治療
「1. はじめに」急性低音障害型感音難聴は, 急性あるいは突発性に蝸牛症状(耳閉塞感, 耳鳴, 難聴など)を発症する低音域に限定された感音難聴を呈する疾患である. 近年増加傾向にあることが指摘されており, 2005年の厚生労働省急性高度難聴に関する調査研究班の疫学研究から発症頻度は人口100万人あたり428~657人と急性感音難聴を来す疾患のなかで最も多い. 突発性難聴は性差がなく, 好発年齢は50歳代であるのに対して, 本疾患の男女比は1:2~3.0と女性に多く, 好発年齢も30歳代と若い. また, 本疾患では約7割が治癒し, 聴力の予後は良好であるが再発が多く, 一部は典型的なメニエール病...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2017/11/20, Vol.120(11), pp.1366-1367 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」急性低音障害型感音難聴は, 急性あるいは突発性に蝸牛症状(耳閉塞感, 耳鳴, 難聴など)を発症する低音域に限定された感音難聴を呈する疾患である. 近年増加傾向にあることが指摘されており, 2005年の厚生労働省急性高度難聴に関する調査研究班の疫学研究から発症頻度は人口100万人あたり428~657人と急性感音難聴を来す疾患のなかで最も多い. 突発性難聴は性差がなく, 好発年齢は50歳代であるのに対して, 本疾患の男女比は1:2~3.0と女性に多く, 好発年齢も30歳代と若い. また, 本疾患では約7割が治癒し, 聴力の予後は良好であるが再発が多く, 一部は典型的なメニエール病に移行する, など突発性難聴とは異なる特徴を有するため, 厚生労働省急性高度難聴に関する調査研究班により診断基準が作成され突発性難聴と区別して扱われるようになった. 「2. 急性低音障害型感音難聴の病因・病態」急性音響外傷や外リンパ瘻などにおいても同様の低音障害型難聴を呈する場合があるが, 多くの場合, 難聴の原因は不明または不確実である. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.120.1366 |