中咽頭に発生した紡錘細胞癌

比較的まれな中咽頭紡錘細胞癌症例を経験したので報告する. 症例は59歳の男性. 1 カ月前から続く咽喉頭違和感を主訴に受診した. 舌根部左側に表面白色調の有茎性腫瘤を認め, 生検の結果, 紡錘細胞癌疑い, 孤立性線維性腫瘍の可能性ありと診断された. 喉頭直達鏡下に腫瘍摘出術を施行し, 病理組織検査の結果, 紡錘細胞癌の診断が確定した. 切除断端に異型上皮が認められたため, 術後放射線治療50Gy, 化学療法を行い, 5 年以上経過した現在まで再発や転移は認めていない. 摘出標本でp16が陽性であったのは扁平上皮癌細胞の50%であり, ヒト乳頭腫ウイルスが発症に関係している可能性は否定的であった...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2017/10/20, Vol.120(10), pp.1251-1255
Hauptverfasser: 渡辺, 哲生, 梅本, 真吾, 鈴木, 正志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:比較的まれな中咽頭紡錘細胞癌症例を経験したので報告する. 症例は59歳の男性. 1 カ月前から続く咽喉頭違和感を主訴に受診した. 舌根部左側に表面白色調の有茎性腫瘤を認め, 生検の結果, 紡錘細胞癌疑い, 孤立性線維性腫瘍の可能性ありと診断された. 喉頭直達鏡下に腫瘍摘出術を施行し, 病理組織検査の結果, 紡錘細胞癌の診断が確定した. 切除断端に異型上皮が認められたため, 術後放射線治療50Gy, 化学療法を行い, 5 年以上経過した現在まで再発や転移は認めていない. 摘出標本でp16が陽性であったのは扁平上皮癌細胞の50%であり, ヒト乳頭腫ウイルスが発症に関係している可能性は否定的であった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.120.1251