慢性中耳炎に対する subannular tube insertion の効果
鼓膜の接着や癒着を生じたような滲出性中耳炎には鼓膜チューブ挿入術がガイドライン上は推奨されている. しかし, その合併症として, 鼓膜穿孔や鼓膜の萎縮・陥凹などが生じる可能性がある. これらの合併症を防ぐための対策の一つとして, 鼓膜切開を要さずに経外耳道的にチューブを挿入する方法があげられる (subannular tube insertion, SAT). 当科において SAT を行った11例13耳において後ろ向きに検討を行った. 対象疾患は, 癒着性中耳炎6耳, 滲出性中耳炎 (アテレクターシス) 3耳, 慢性穿孔性中耳炎4耳であった. 慢性穿孔性中耳炎症例では同時に鼓膜形成術を行ってい...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2017/06/20, Vol.120(6), pp.811-816 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 鼓膜の接着や癒着を生じたような滲出性中耳炎には鼓膜チューブ挿入術がガイドライン上は推奨されている. しかし, その合併症として, 鼓膜穿孔や鼓膜の萎縮・陥凹などが生じる可能性がある. これらの合併症を防ぐための対策の一つとして, 鼓膜切開を要さずに経外耳道的にチューブを挿入する方法があげられる (subannular tube insertion, SAT). 当科において SAT を行った11例13耳において後ろ向きに検討を行った. 対象疾患は, 癒着性中耳炎6耳, 滲出性中耳炎 (アテレクターシス) 3耳, 慢性穿孔性中耳炎4耳であった. 慢性穿孔性中耳炎症例では同時に鼓膜形成術を行っている. 3カ月以上の観察期間で最終受診時にチューブが維持されていたのは13耳中7耳 (53.8%) であった. 全体でのチューブ留置期間は1~29カ月間 (平均9カ月間) であった. チューブが維持されていた症例では再癒着などは認めず鼓膜の状態は良好であった. しかし約半数では脱落しており, 今後はさらに長期間維持できるような手技上の工夫を考慮したい. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.120.811 |