下顎歯周囲感染症から波及した咀嚼筋隙膿瘍の2症例
咀嚼筋隙とは, 咬筋筋膜と翼突筋膜の間に囲まれる領域を言い, 頬骨弓より上を側頭隙, 下を側頭下隙と区分する. 下顎大臼歯部に生じた感染が頭側へ進展する際にはここを通って上行する. 本症例1では, 歯周囲の感染から側頭下隙, さらに側頭隙へ波及した. 症例2はビスホスホネート系薬剤内服中の抜歯を契機に下顎骨骨髄炎となり, 症例1と同様に側頭下隙へ波及した. 症例1は骨髄炎には至っておらず, 短期的な抗菌薬投与と外科的ドレナージのみで改善した. 症例2は骨髄炎を来したため外科的ドレナージに加え約4カ月間の抗菌薬投与を要した. 咀嚼筋隙膿瘍の感染源として, 歯周囲感染症を認識することが必要である....
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2016/10/20, Vol.119(10), pp.1300-1304 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 咀嚼筋隙とは, 咬筋筋膜と翼突筋膜の間に囲まれる領域を言い, 頬骨弓より上を側頭隙, 下を側頭下隙と区分する. 下顎大臼歯部に生じた感染が頭側へ進展する際にはここを通って上行する. 本症例1では, 歯周囲の感染から側頭下隙, さらに側頭隙へ波及した. 症例2はビスホスホネート系薬剤内服中の抜歯を契機に下顎骨骨髄炎となり, 症例1と同様に側頭下隙へ波及した. 症例1は骨髄炎には至っておらず, 短期的な抗菌薬投与と外科的ドレナージのみで改善した. 症例2は骨髄炎を来したため外科的ドレナージに加え約4カ月間の抗菌薬投与を要した. 咀嚼筋隙膿瘍の感染源として, 歯周囲感染症を認識することが必要である. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.119.1300 |