口蓋扁桃摘出術後に投与する鎮痛薬別にみた鎮痛効果と術後出血の頻度:セレコキシブとロキソプロフェンの比較
扁摘後に投与する鎮痛薬として, 選択的 COX-2 阻害薬 (セレコキシブ) あるいは従来型 NSAIDs (ロキソプロフェン) を投与し, 鎮痛効果の程度, 術後出血の有無と程度, 副作用等について後方視的に比較検討した結果を報告する. 対象は, セレコキシブを術後に投与した症例 (以下, 「セレコキシブ群」と略) が55例, ロキソプロフェンを術後に投与した症例 (以下, 「ロキソプロフェン群」と略) が52例, 計107例であった. その結果, 「セレコキシブ群」は「ロキソプロフェン群」よりも鎮痛効果は弱い傾向にあった. 疼痛 VAS 値の変化率, 鎮痛薬を必要とした期間, レスキュー...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2016/08/20, Vol.119(8), pp.1110-1116 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 扁摘後に投与する鎮痛薬として, 選択的 COX-2 阻害薬 (セレコキシブ) あるいは従来型 NSAIDs (ロキソプロフェン) を投与し, 鎮痛効果の程度, 術後出血の有無と程度, 副作用等について後方視的に比較検討した結果を報告する. 対象は, セレコキシブを術後に投与した症例 (以下, 「セレコキシブ群」と略) が55例, ロキソプロフェンを術後に投与した症例 (以下, 「ロキソプロフェン群」と略) が52例, 計107例であった. その結果, 「セレコキシブ群」は「ロキソプロフェン群」よりも鎮痛効果は弱い傾向にあった. 疼痛 VAS 値の変化率, 鎮痛薬を必要とした期間, レスキュー投与率と期間および入院中の総摂食率, 術後出血の有無と程度に両群間で有意差は認めなかった. 術後11日目以降の晩期出血は, 「セレコキシブ群」における術後出血11例では認めなかったのに対し, 「ロキソプロフェン群」における術後出血16例中5例 (31.2%) で認め, 両群間で有意差を認めた. 副作用は「ロキソプロフェン群」の9.8%で上腹部痛を認めたが, 「セレコキシブ群」では認めなかった. 以上より, セレコキシブは扁摘後の晩期出血のリスクを軽減させ, 副作用が少ないことからも有用な鎮痛薬となり得る. しかし鎮痛効果が十分得られない場合があり, 症例によってはアセトアミノフェン等のレスキューを積極的に投与する必要があると考えた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.119.1110 |