エビデンスに基づく IgA 腎症診療ガイドライン2014

IgA 腎症は最も高頻度な糸球体腎炎で, わが国の腎生検の約1/3が IgA 腎症と診断される. 腎生検後20年で約20~40%の症例が末期腎不全に陥り, 国の難病指定をうけている. 1995年に, 厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会の合同委員会により, 初めて「IgA 腎症診療指針」が公表され, 2002年には「IgA 腎症診療指針―第2版―」が, さらに2011年には「IgA 腎症診療指針―第3版―」が提示された. これらの診療指針は, 臨床や病理診断の場で広く活用され, わが国における IgA 腎症の診断・治療に大きく貢献してきた. 2011年に Kidney...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2016/06/20, Vol.119(6), pp.833-839
Hauptverfasser: 高橋, 和男, 湯澤, 由紀夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:IgA 腎症は最も高頻度な糸球体腎炎で, わが国の腎生検の約1/3が IgA 腎症と診断される. 腎生検後20年で約20~40%の症例が末期腎不全に陥り, 国の難病指定をうけている. 1995年に, 厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会の合同委員会により, 初めて「IgA 腎症診療指針」が公表され, 2002年には「IgA 腎症診療指針―第2版―」が, さらに2011年には「IgA 腎症診療指針―第3版―」が提示された. これらの診療指針は, 臨床や病理診断の場で広く活用され, わが国における IgA 腎症の診断・治療に大きく貢献してきた. 2011年に Kidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO) より, 臨床試験の体系的なレビューによる推奨レベルが示された, 糸球体腎炎のための KDIGO 診療ガイドラインが発表された. しかし, 日本の実臨床において, 口蓋扁桃摘出術 + ステロイドパルス療法 (扁摘パルス療法) が広く施行されており, KDIGO 診療ガイドラインがそのまま当てはまるかは慎重な判断を要した. そこで, 日本における疫学, 診断, 重症度分類, 治療方法を踏まえ, 実臨床により使用しやすいエビデンスに基づくガイドラインとして, 厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会は,「エビデンスに基づく IgA 腎症診療ガイドライン2014」を作成した. 本稿は, そのガイドラインの特徴について概説した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.119.833