中頭蓋窩法で摘除した側頭骨に発生した軟骨芽細胞腫

側頭骨原発の軟骨芽細胞腫はまれである. われわれは中頭蓋窩経由で手術を施行し, 8年間再発を認めなかった1例を経験した. 症例は37歳女性. 右難聴, 開口時痛を訴えたが, 近医ならびに当院初診時の聴力検査では正常範囲であった. 経過観察中に耳漏が出現し, 外耳道に膨隆した腫瘍を認め, 聴力検査でも伝音難聴を示した. 生検での病理診断は当初, 巨細胞腫の診断であった. 平成17年中頭蓋窩法で手術を行った. 腫瘍は下顎関節窩より中頭蓋窩に進展, 上鼓室にも侵入していた. 中頭蓋窩法にて腫瘍を全摘し, 耳小骨連鎖は保存した. 最終的な病理診断は S 蛋白陽性であったことから chondroblas...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2015/03/20, Vol.118(3), pp.213-218
Hauptverfasser: 石岡, 薫, 神崎, 仁, 原田, 竜彦, 高梨, 吉裕, 篠永, 正道, 北村, 創
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:側頭骨原発の軟骨芽細胞腫はまれである. われわれは中頭蓋窩経由で手術を施行し, 8年間再発を認めなかった1例を経験した. 症例は37歳女性. 右難聴, 開口時痛を訴えたが, 近医ならびに当院初診時の聴力検査では正常範囲であった. 経過観察中に耳漏が出現し, 外耳道に膨隆した腫瘍を認め, 聴力検査でも伝音難聴を示した. 生検での病理診断は当初, 巨細胞腫の診断であった. 平成17年中頭蓋窩法で手術を行った. 腫瘍は下顎関節窩より中頭蓋窩に進展, 上鼓室にも侵入していた. 中頭蓋窩法にて腫瘍を全摘し, 耳小骨連鎖は保存した. 最終的な病理診断は S 蛋白陽性であったことから chondroblastoma となった. 術後は聴力が回復し, 術後8年以上経過した現在まで MRI にて腫瘍の再発などを認めない.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.213