鼓膜形成術における基本手技

「1. はじめに」鼓膜形成術は鼓膜固有層の上に移植材料を置くoverlay法と下に移植材料を挿入するunderlay法に大別される(図1). よってInlay法(サンドイッチ法)は鼓膜固有層の上に移植材料を置くという観点からはoverlay法の一つであり, 耳内法(接着法)はunderlay法の一つに含まれる. Overlay法は鼓膜の再穿孔を起こしにくい利点があるが, ときに鼓膜前下部の鈍角化(anterior blunting)や鼓膜の浅在化(lateral healing)によって聴力低下を来す. また遺残表皮の埋没により医原性真珠腫を引き起こす(図1下段左). 一方, underlay...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2014/03/20, Vol.117(3), pp.216-219
1. Verfasser: 田中, 康広
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」鼓膜形成術は鼓膜固有層の上に移植材料を置くoverlay法と下に移植材料を挿入するunderlay法に大別される(図1). よってInlay法(サンドイッチ法)は鼓膜固有層の上に移植材料を置くという観点からはoverlay法の一つであり, 耳内法(接着法)はunderlay法の一つに含まれる. Overlay法は鼓膜の再穿孔を起こしにくい利点があるが, ときに鼓膜前下部の鈍角化(anterior blunting)や鼓膜の浅在化(lateral healing)によって聴力低下を来す. また遺残表皮の埋没により医原性真珠腫を引き起こす(図1下段左). 一方, underlay法は術後鼓膜の再穿孔率はoverlay法より高いとされるが, anterior bluntingやlateral healingなどの合併症はなく, 医原性真珠腫を形成することもほとんどない.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.117.216