抗血小板薬・抗凝固薬投与患者における診療上の注意点

「1. はじめに」近年, 人口の高齢化により, 脳梗塞虚血性心疾患や心房細動の患者数が増加している. 抗血小板薬や抗凝固薬が投与されている患者も多くなり, 処置や手術を行う際にこのような患者にしばしば遭遇する. 抗凝固・抗血小板療法施行中に処置や手術を行うと出血を合併する危険性があり, それを避けるために突然抗血栓療法を中断すると, リバウンド現象として血栓塞栓症を誘発する危険性も報告されている1)2). したがって, 抗凝固・抗血小板療法の対象疾患の発症や出血性合併症の危険を回避して, 安全な処置・手術が行えることが求められる. このため, 複数の学会はガイドラインを作成しているほか, 独自...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2013/08/20, Vol.116(8), pp.988-989
1. Verfasser: 小林, 泰輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」近年, 人口の高齢化により, 脳梗塞虚血性心疾患や心房細動の患者数が増加している. 抗血小板薬や抗凝固薬が投与されている患者も多くなり, 処置や手術を行う際にこのような患者にしばしば遭遇する. 抗凝固・抗血小板療法施行中に処置や手術を行うと出血を合併する危険性があり, それを避けるために突然抗血栓療法を中断すると, リバウンド現象として血栓塞栓症を誘発する危険性も報告されている1)2). したがって, 抗凝固・抗血小板療法の対象疾患の発症や出血性合併症の危険を回避して, 安全な処置・手術が行えることが求められる. このため, 複数の学会はガイドラインを作成しているほか, 独自に基準を設けている医療機関も多い. 本稿では多くの施設で参考にされている日本消化器内視鏡学会の「抗血小板薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」(2012)3)(以下, 内視鏡診療ガイドライン)を紹介し, さらにほかのガイドラインも引用しながら, 耳鼻咽喉科診療において抗血小板薬・抗凝固薬投与患者に対し, どのように対応するべきかを述べる.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.116.988