副鼻腔炎の診断と治療

2007年9月に日本鼻科学会から「副鼻腔炎診療の手引き」が刊行された. 本稿では, この「副鼻腔炎診療の手引き」の内容を中心として, 副鼻腔炎の診断と治療について述べる. 1. 定義 発症後1ヵ月以内に症状が消失するもので, 感染が主因で, 鼻汁は膿性であることが多く, 頬部痛や発熱といった急性炎症症状を伴うものを急性副鼻腔炎とする. 3ヵ月以上鼻閉, 鼻漏, 後鼻漏, 咳嗽といった呼吸器症状が持続するものを慢性副鼻腔炎とする. 慢性副鼻腔炎では, 副鼻腔粘膜および中鼻道自然口ルートに治癒し難い形態的および機能的な障害を生じていることが多く, 鼻茸を認める例も多い. ときに再感染により, 急性...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2010, Vol.113(7), pp.614-617
1. Verfasser: 洲崎, 春海
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:2007年9月に日本鼻科学会から「副鼻腔炎診療の手引き」が刊行された. 本稿では, この「副鼻腔炎診療の手引き」の内容を中心として, 副鼻腔炎の診断と治療について述べる. 1. 定義 発症後1ヵ月以内に症状が消失するもので, 感染が主因で, 鼻汁は膿性であることが多く, 頬部痛や発熱といった急性炎症症状を伴うものを急性副鼻腔炎とする. 3ヵ月以上鼻閉, 鼻漏, 後鼻漏, 咳嗽といった呼吸器症状が持続するものを慢性副鼻腔炎とする. 慢性副鼻腔炎では, 副鼻腔粘膜および中鼻道自然口ルートに治癒し難い形態的および機能的な障害を生じていることが多く, 鼻茸を認める例も多い. ときに再感染により, 急性増悪を起こす. 罹病期間が1~3ヵ月の症例は, 急性炎症症状やその反復回数および鼻内所見によって, 急性あるいは慢性に分類される. 2. 臨床スコアリング 問診, 鼻鏡検査(前鼻鏡検査, 後鼻鏡検査)を行い, 臨床症状および鼻腔粘膜に示された変化や分泌液の状態から副鼻腔炎が推察できる.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.113.614