突発性難聴に対する副腎皮質ホルモン・高圧酸素療法併用療法の治療成績

1999年1月~2003年3月までの約4年間の突発性難聴 (以下, 突難) に対する横浜労災病院での治療成績を報告する. 突難に対する当院での治療方針は, 副腎皮質ホルモン (ベタメサゾン) 点滴静注および高圧酸素療法の併用を基本方針とした. この治療を施行し, 他院で何らかの治療を施した症例をすべて除き純粋な急性期新鮮例は, 男性56例, 女性53例, 合計109例 (111耳) であった. 病側は左側52例, 右側55例, 両側2例, 年齢は8~78歳で平均52.6歳であった. 治療開始が発症1週間以内をI群, 1~2週間をII群と分類した. I群では男性48例, 女性47例, 合計95例...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2007/05/20, Vol.110(5), pp.395-402
Hauptverfasser: 川俣, 光, 大氣, 誠道, 佐久間, 貴章, 洲崎, 春海
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1999年1月~2003年3月までの約4年間の突発性難聴 (以下, 突難) に対する横浜労災病院での治療成績を報告する. 突難に対する当院での治療方針は, 副腎皮質ホルモン (ベタメサゾン) 点滴静注および高圧酸素療法の併用を基本方針とした. この治療を施行し, 他院で何らかの治療を施した症例をすべて除き純粋な急性期新鮮例は, 男性56例, 女性53例, 合計109例 (111耳) であった. 病側は左側52例, 右側55例, 両側2例, 年齢は8~78歳で平均52.6歳であった. 治療開始が発症1週間以内をI群, 1~2週間をII群と分類した. I群では男性48例, 女性47例, 合計95例 (97耳) で, II群では, 男性8例, 女性6例, 合計14例 (14耳) であった. 治療成績は, 40dB以上の難聴例において, めまいの有無でそれぞれ聴力障害が重症な症例ほど治癒率は悪く, 同じ重症度においては, めまいのある症例の方がめまいのない症例より治癒率は低かった. 次に, 聴力型による治療成績では, 低音障害型・谷型・水平型の順に治癒率が高かった. 糖尿病合併例は20例あり, 糖尿病合併の有無は突難の治療成績に差はなかった. 当院での突難症例109例 (111耳) に対する副腎皮質ホルモン・高圧酸素療法併用療法の治療成績は, 治癒32.4%, 著明回復32.4%, 回復21.6%, 不変13.5%であり, 他施設での71耳以上の多数例の副腎皮質ホルモン単独での治療成績と比較した結果, その有効性が示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.110.395