頭頸部扁平上皮癌におけるTazarotine-induced gene 1(TIG1)遺伝子のメチル化の検討

(目的)遺伝子のプロモーター領域における異常DNAメチル化は多くの癌において報告されており, 癌抑制遺伝子, もしくは癌抑制に関わるpathwayの不活化に関わっていると考えられる. 今回我々は頭頸部癌におけるTazarotine-induced gene 1(TIG1)遺伝子のメチル化について細胞株および臨床検体を用いて解析を行い, また腫瘍マーカーとしての可能性についても検討した. (方法)頭頸部扁平上皮癌細胞株6株, および頭頸部癌手術検体50例を用いてMethylation specific PCR(MSP)およびBisulfite処理後のシークエンス解析によりメチル化の有無を検討した...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2005-12, Vol.108 (12), p.1152-1157
Hauptverfasser: 徳丸裕, 八幡有紀子, 藤井正人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)遺伝子のプロモーター領域における異常DNAメチル化は多くの癌において報告されており, 癌抑制遺伝子, もしくは癌抑制に関わるpathwayの不活化に関わっていると考えられる. 今回我々は頭頸部癌におけるTazarotine-induced gene 1(TIG1)遺伝子のメチル化について細胞株および臨床検体を用いて解析を行い, また腫瘍マーカーとしての可能性についても検討した. (方法)頭頸部扁平上皮癌細胞株6株, および頭頸部癌手術検体50例を用いてMethylation specific PCR(MSP)およびBisulfite処理後のシークエンス解析によりメチル化の有無を検討した. また末梢血サンプルについては癌患者群55例, 正常群32例に対してQuantitative MSP(QMSP)を用いた. (結果)細胞株では6株すべてのTIG1遺伝子がメチル化されていた. 臨床検体では, 50例中31例(62%)にメチル化を認めた. また末梢血からのDNA解析では癌患者群では, 55例中30例(54%)にメチル化が認められたが, 健常者の血液においては8例(25%)でのみ軽度のメチル化が検出された. (結論)頭頸部扁平上皮癌においてTIG1遺伝子のメチル化が重要な働きをしている可能性が示唆された. 頭頸部癌患者の末梢血においてもTIG1遺伝予のメチル化が検出され, molecular markerとしての役割が期待できると考えられた.
ISSN:0030-6622
DOI:10.3950/jibiinkoka.108.1152