アンケート調査によるアレルギー性鼻炎患者QOLに影響する因子についての検討
自覚症状や鼻腔所見など日常診療にて評価されている因子によってアレルギー性鼻炎患者のquality of life(QOL)の障害を推測することを目的として, 日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ No1)を用いアンケート調査を行った. 2003年4月下旬からの3ヵ月間に旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科および関連35施設に来院したアレルギー性鼻炎患者1378名を対象に, 性別, 罹病期間, 抗原, 自覚症状, 鼻腔所見の患者QOLに及ぼす影響について統計学的に解析した. 性別では女性が有意にQOLの障害が強く, 抗原別では花粉抗原において障害が強い傾向にあった. 罹病期間とは関連は...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2005, Vol.108 (7), p.715-723 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 自覚症状や鼻腔所見など日常診療にて評価されている因子によってアレルギー性鼻炎患者のquality of life(QOL)の障害を推測することを目的として, 日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ No1)を用いアンケート調査を行った. 2003年4月下旬からの3ヵ月間に旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科および関連35施設に来院したアレルギー性鼻炎患者1378名を対象に, 性別, 罹病期間, 抗原, 自覚症状, 鼻腔所見の患者QOLに及ぼす影響について統計学的に解析した. 性別では女性が有意にQOLの障害が強く, 抗原別では花粉抗原において障害が強い傾向にあった. 罹病期間とは関連はなかった. 自覚症状と鼻腔所見のQOLに及ぼす影響を重回帰分析にて解析した. 自覚症状の検討では日常生活, 戸外活動, 社会生活の各QOL構成因子に対して鼻汁が最も影響を及ぼす因子であり, 睡眠, 身体, 精神生活に対しては鼻閉が最も影響を及ぼす因子であった. 全QOL項目の合計スコアに対しては鼻閉が最も影響を及ぼす因子であった. 鼻腔所見の検討では, すべてのQOL検討項目に対して水性分泌量が最も影響を及ぼす因子であった. 自覚症状と鼻内所見を包括的に検討することで患者QOLの障害を推測し, より患者の満足が得られるアレルギー性鼻炎の日常診療が可能である. |
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ISSN: | 0030-6622 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.108.715 |