食道入口部近傍魚骨異物症例における3D-CTの有用性

マルチスライスCTの導入により短時間かつ容易に3次元画像構築(3D-CT)が可能となり, CT診断は急速に進歩している. 耳鼻咽喉科領域においては, 特に解剖学的に複雑な側頭骨の疾患や顔面骨骨折の診断における3D-CTの有用性がこれまで多く報告されている. 喉頭周辺も解剖学的に複雑な領域であり, 通常のCT, MRIやファイバースコピーのみでは把握困難な喉頭癌の浸潤範囲評価や声帯運動評価などに対しても3D-CT画像の有用性が報告されている. 今回, 私達は最近1年内に当科を受診した食道入口部近傍異物患者のうち, 初診時に異物を確認できなかったが, 症状と所見より異物刺入を疑われた3症例に対して...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2004, Vol.107 (9), p.800-803
Hauptverfasser: 小林真由美, 浅野由記子, 瀬戸陽, 野村俊之, 吉田友英, 山本昌彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:マルチスライスCTの導入により短時間かつ容易に3次元画像構築(3D-CT)が可能となり, CT診断は急速に進歩している. 耳鼻咽喉科領域においては, 特に解剖学的に複雑な側頭骨の疾患や顔面骨骨折の診断における3D-CTの有用性がこれまで多く報告されている. 喉頭周辺も解剖学的に複雑な領域であり, 通常のCT, MRIやファイバースコピーのみでは把握困難な喉頭癌の浸潤範囲評価や声帯運動評価などに対しても3D-CT画像の有用性が報告されている. 今回, 私達は最近1年内に当科を受診した食道入口部近傍異物患者のうち, 初診時に異物を確認できなかったが, 症状と所見より異物刺入を疑われた3症例に対して, 3D-CT画像を作成した. いずれの症例もファイバースコピーおよび頸部X線検査では異物所見は認められなかったが, 3D-CTを構成することにより異物の大きさ, 刺入位置・方向等が明らかとなり, 異物摘出術を施行する際非常に有用であった. 耳鼻咽喉科日常診療において頻繁に遭遇する食道入口部近傍異物に対しても, 所在不明と思われる症例に対しては3D-CTは有用であると考えられる.
ISSN:0030-6622