耳下腺腫瘍に対するシンチグラムの有用性の再評価
(目的)耳下腺腫瘍に対するテクネシウムシンチグラムやガリウムシンチグラムなどのRI検査は, 被曝の問題, cost effectivenessの問題から今後敬遠されることが予想される. 今回我々は過去の手術症例から耳下腺腫瘍の術前検査としてシンチグラムの占める位置づけについて考察した. (対象と方法)対象は過去13年間に当科で耳下腺腫瘍の診断で手術を施行した275名, 283側(良性235例, 悪性48例)である. これらの症例につき, 以下の項目を検討した. (1)腫瘍の病理別の各シンチグラムの陽性率. (2)各シンチグラムが陽性である場合(あるいは陰性である場合)の占める腫瘍の割合. (3...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2001-09, Vol.104 (9), p.852-858 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (目的)耳下腺腫瘍に対するテクネシウムシンチグラムやガリウムシンチグラムなどのRI検査は, 被曝の問題, cost effectivenessの問題から今後敬遠されることが予想される. 今回我々は過去の手術症例から耳下腺腫瘍の術前検査としてシンチグラムの占める位置づけについて考察した. (対象と方法)対象は過去13年間に当科で耳下腺腫瘍の診断で手術を施行した275名, 283側(良性235例, 悪性48例)である. これらの症例につき, 以下の項目を検討した. (1)腫瘍の病理別の各シンチグラムの陽性率. (2)各シンチグラムが陽性である場合(あるいは陰性である場合)の占める腫瘍の割合. (3)ワルチン腫瘍 におけるテクネシウムシンチグラム集積像の有無を決定する要素. (4腫瘍の大きさとかリウムシンチグラム集積の有無の関係. (結果)テクネシウム陽性腫瘍の87.9%をワルチン腫瘍が占めた. 40歳以上に絞れば90%以上がワルチン腫瘍であった. また, ワルチン腫瘍の中でも腫瘍の小さい方が, また嚢胞性の方が陽性になりにくいことがわかった. ガリウムシンチグラムは悪性腫瘍で85%と高い陽性率を示したが, ガリウム陽性腫瘍のうち悪性腫瘍の占める割合は37.8%で陽性であることが悪性の指標とならないことがわかった. |
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ISSN: | 0030-6622 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.104.852 |