鼻中隔穿孔がAcoustic rhinometryの測定結果に及ぼす影響について -症例の検討および鼻腔モデル実験

鼻中隔穿孔症例および鼻中隔穿孔を作製したヒト鼻腔モデルにおいて, acoustic rhinometryによる鼻腔断面積・容積の測定への影響についての検討を行った. 鼻中隔穿孔33症例は男性19症例, 女性14症例であった. 鼻中隔穿孔は直径平均16mm, 鼻入口部からの距離平均23mmであった. acoustic rhinometryによる鼻腔断面積・容積の測定において, 鼻中隔を薄い綿花片を用いて閉鎖した後は, 鼻腔断面積・容積値が明らかに減少した. ヒト鼻腔モデルにおいては, 大きさ(直径5, 10, 15, and 20mm), 鼻入口部からの距離(20, 40, and 50mm)を...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2001, Vol.104 (8), p.815-823
Hauptverfasser: 三島陽人, 平岩文, 加瀬康弘, 飯沼壽孝
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:鼻中隔穿孔症例および鼻中隔穿孔を作製したヒト鼻腔モデルにおいて, acoustic rhinometryによる鼻腔断面積・容積の測定への影響についての検討を行った. 鼻中隔穿孔33症例は男性19症例, 女性14症例であった. 鼻中隔穿孔は直径平均16mm, 鼻入口部からの距離平均23mmであった. acoustic rhinometryによる鼻腔断面積・容積の測定において, 鼻中隔を薄い綿花片を用いて閉鎖した後は, 鼻腔断面積・容積値が明らかに減少した. ヒト鼻腔モデルにおいては, 大きさ(直径5, 10, 15, and 20mm), 鼻入口部からの距離(20, 40, and 50mm)を変えた鼻中隔穿孔を作製し, 鼻腔断面積・容積の測定を行ったが, より鼻腔前方において, 穿孔の影響が鋭敏であることが示された. 「はじめに」Acoustic Rhinometry(以下, AR)は, Hilbergらにより, click様の音波を用いて管腔の断面積を計測する方法を鼻腔に応用したもの1)で, 短時間に侵襲なく一側ずつの鼻腔の距離にほぼ対応した部位の鼻腔断面積・容積の測定を可能にした. 鼻腔通気度検査が, より呼吸生理学的検査法であるのに対し, ARは, 形態学的な鼻腔の開存性を視覚的にとらえ易いという特性を持ち2)3), 鼻閉の客観的補助診断法の一つとして, 現在臨床応用されつつある3)~10).
ISSN:0030-6622
DOI:10.3950/jibiinkoka.104.815