長時間の側臥と眼球反対回旋
今回我々は長時間の重力入力方向を変更した際の影響を研究する目的の1モデルとして, 2時間にわたる一側側臥の前後で眼球回旋運動を記録解析し, 耳石器-動眼系の機能の変化や順応の有無についての研究を行った. 健常成人男性6名を被験者とし, コンピューター制御の電動傾斜椅子を用いて, 鼻・後頭軸のroll面で0度垂直位から90度側臥位への動きと, そのまま2時間の一側側臥負荷を保った状態の後に, 側臥位から垂直位へ戻る動きをそれぞれ毎秒1度の等速度で行った. 傾斜に伴って認められる眼球反対回旋運動;ocular counter-rolling(OCR)は, 赤外線CCDカメラでの映像を経時的にビデオ...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 2000, Vol.103 (8), p.916-921 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回我々は長時間の重力入力方向を変更した際の影響を研究する目的の1モデルとして, 2時間にわたる一側側臥の前後で眼球回旋運動を記録解析し, 耳石器-動眼系の機能の変化や順応の有無についての研究を行った. 健常成人男性6名を被験者とし, コンピューター制御の電動傾斜椅子を用いて, 鼻・後頭軸のroll面で0度垂直位から90度側臥位への動きと, そのまま2時間の一側側臥負荷を保った状態の後に, 側臥位から垂直位へ戻る動きをそれぞれ毎秒1度の等速度で行った. 傾斜に伴って認められる眼球反対回旋運動;ocular counter-rolling(OCR)は, 赤外線CCDカメラでの映像を経時的にビデオ記録した. 0度垂直位から90度側臥位への傾斜中, 傾斜完了時および5分後, そして2時間の一側側臥後に垂直位に戻す間, さらに0度垂直位に戻った時および5分後に暗所開眼で記録し解析した. その結果, 0度から90度への側臥時と, 90度から0度への垂直復位時のどちらの場合でも, 重力方向に対し0度と30度の間, 特に0度と15度の間で明瞭な眼球反対回旋が確認された. そして, この垂直位付近における往きと復りの回旋角度の大きさには差がなかったことから, 2時間側臥直後で垂直位付近に戻った際のシステムの機能には差がないことが分かった. しかし, 2時間側臥後の0度垂直位に戻る過程の90度から45度の区間で, 全例に眼球反対反対回旋がみられた. これは戻りの動き始めの時の, 耳石の重量による慣性に基づく感覚毛の屈曲およびシステムの機能適応に時間がかかったためと考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.103.916 |