マウス内耳におけるチロシンキナーゼの発現

細胞でのチロシンリン酸化は種を越えて生物の成長と発生の際, 生体としての細胞機能の調節にかかわっている. 内耳の機能を含めて成長因子レセプターチロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase, 以下RTK)に関する多くの研究がなされてきたが, 多くのRTKが最近同定されたためすべての組織で系統立ててその発現パターンは検討されていない. それ故我々はdegenerate PCR法を用いてマウス内耳に存在するRTKを含めたチロシンキナーゼ(TK)のcDNAシークエンスを調べることを試みた. その結果, 過去において内耳に同定されたRTKとともに現在まで内耳に同定されていないTKを...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 2000, Vol.103 (2), p.154-159
Hauptverfasser: 李雅次, 吉田知之, 鈴木衞
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:細胞でのチロシンリン酸化は種を越えて生物の成長と発生の際, 生体としての細胞機能の調節にかかわっている. 内耳の機能を含めて成長因子レセプターチロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase, 以下RTK)に関する多くの研究がなされてきたが, 多くのRTKが最近同定されたためすべての組織で系統立ててその発現パターンは検討されていない. それ故我々はdegenerate PCR法を用いてマウス内耳に存在するRTKを含めたチロシンキナーゼ(TK)のcDNAシークエンスを調べることを試みた. その結果, 過去において内耳に同定されたRTKとともに現在まで内耳に同定されていないTKを得た. すなわち, 内耳にはこれまで研究されてきた以上の多くのRTKが存在していることが分かり, また内耳の機能にかかわっている遺伝子を同定するのにdegenerate PCR法が有用であることが示された.
ISSN:0030-6622
DOI:10.3950/jibiinkoka.103.154