鼻咽腔腫瘍によるSleep Apnea Syndromeの1症例

「はじめに」小児の睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome以下SASと略す)は, アデノイド肥大・口蓋扁桃肥大等の上気道閉塞が原因となることが多い. 睡眠中の強大な鼾や換気停止を認め, 幼児ではこれに加えて前胸壁の吸気性陥凹・変形を呈することもある. 睡眠時呼吸障害が重篤な場合には動脈血酸素飽和度の低下を, さらに重篤な場合にはチアノーゼや不整脈を引き起こすこともある. また, 肺循環への負荷持続による右心負荷のために肺高血圧症, 右室肥大から右心不全を呈する例のあることも知られており, 現在注目されている疾患のひとつである. 最近我々は, 鼻咽腔腫瘍により睡眠時呼吸障害を...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1996-01, Vol.99 (1), p.6-119
Hauptverfasser: 柴田修宏, 西村忠郎, 森島夏樹, 長谷川清一, 岩永耕一, 八木沢幹夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」小児の睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome以下SASと略す)は, アデノイド肥大・口蓋扁桃肥大等の上気道閉塞が原因となることが多い. 睡眠中の強大な鼾や換気停止を認め, 幼児ではこれに加えて前胸壁の吸気性陥凹・変形を呈することもある. 睡眠時呼吸障害が重篤な場合には動脈血酸素飽和度の低下を, さらに重篤な場合にはチアノーゼや不整脈を引き起こすこともある. また, 肺循環への負荷持続による右心負荷のために肺高血圧症, 右室肥大から右心不全を呈する例のあることも知られており, 現在注目されている疾患のひとつである. 最近我々は, 鼻咽腔腫瘍により睡眠時呼吸障害を呈した1症例を経験した. 患者は終夜モニターによりSASと診断され, 腫瘍(後に鼻咽腔血管線維腫と診断された)摘出により症状, 終夜モニターの成績共に著明に改善した. 鼻咽腔血管線維腫及び睡眠時呼吸障害について若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0030-6622
DOI:10.3950/jibiinkoka.99.6