メニエール病における血清抗II型コラーゲン抗体及び免疫複合体

「はじめに」メニエール病は剖検例を対象とした内耳の形態学的検討により, 内リンパ水腫が本体であると考えられている1)2)3). しかし, 内リンパ水腫を来す病因に対してはアレルギー説や血管神経説などがあり, いまだ確定していない. その内, メニエール病発症にはアレルギーが起因するとの報告は1892年Quinkeに始まり, Cooms & Gelのアレルギー分類自体に論議はあるもののI型及びIII型アレルギーが想定されている. まず, 食物アレルギー説4)によりI型アレルギーではないかとの予測がなされた. しかし, 血清IgE値が正常範囲内であること5), 血清IgG値が正常値より高い...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1994, Vol.97 (5), p.887-1005
Hauptverfasser: 吉野清美, 竹山勇
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」メニエール病は剖検例を対象とした内耳の形態学的検討により, 内リンパ水腫が本体であると考えられている1)2)3). しかし, 内リンパ水腫を来す病因に対してはアレルギー説や血管神経説などがあり, いまだ確定していない. その内, メニエール病発症にはアレルギーが起因するとの報告は1892年Quinkeに始まり, Cooms & Gelのアレルギー分類自体に論議はあるもののI型及びIII型アレルギーが想定されている. まず, 食物アレルギー説4)によりI型アレルギーではないかとの予測がなされた. しかし, 血清IgE値が正常範囲内であること5), 血清IgG値が正常値より高い例が多いことから, むしろIII型アレルギーの関与を考え, 朴沢ら6)は実験的に内リンパ水腫の成立に抗原抗体反応によるライスネル膜の透過性亢進あるいは, 血管条の分泌亢進が関与しているのではないかと述べている.
ISSN:0030-6622
DOI:10.3950/jibiinkoka.97.887