一側性喉頭麻痺に対する局所麻酔下アテロコラーゲン注入療法
「I はじめに」一側性喉頭麻痺を原因として生じた声門閉鎖不全に対する外科的治療法としては, 観血的に行われる甲状軟骨形成術, 披裂軟骨内転術や非観血的に行われる声帯内注入術がある. 観血的手術は, 声帯の内方移動によって粘膜波動の再出現を可能とするが, すでに原疾患に対して大きな手術を受けている患者は, 音声改善のために再度入院して手術を受けることは, 精神的にも負担となって手術を拒否することもある. このような背景に対し少しでも患者の精神的, 肉体的かつ経済的負担をも軽減する効果的な治療法の1つとして局所麻酔下にフレキシブルファイバースコープを利用した注入法は考慮されてよい手技と考える. 近...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 1994-05, Vol.97 (5), p.847-1003 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I はじめに」一側性喉頭麻痺を原因として生じた声門閉鎖不全に対する外科的治療法としては, 観血的に行われる甲状軟骨形成術, 披裂軟骨内転術や非観血的に行われる声帯内注入術がある. 観血的手術は, 声帯の内方移動によって粘膜波動の再出現を可能とするが, すでに原疾患に対して大きな手術を受けている患者は, 音声改善のために再度入院して手術を受けることは, 精神的にも負担となって手術を拒否することもある. このような背景に対し少しでも患者の精神的, 肉体的かつ経済的負担をも軽減する効果的な治療法の1つとして局所麻酔下にフレキシブルファイバースコープを利用した注入法は考慮されてよい手技と考える. 近年声帯内注入療法の中でシリコンに代わる材料として注目されているアテロコラーゲンは, その特性から粘膜下の注入によっても粘膜波動が障害されないことが期待された1)2). しかしながら我々の追試ではアテロコラーゲンを粘膜下に注入した場合, 音声は金属性で緊張性が強く, 患者は声が出しにくいと感じるなど音声の改善は期待するほどではなかった. |
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ISSN: | 0030-6622 |