ブタ中耳粘膜の電子顕微鏡的観察―正常例
「I 緒言」 ブタはヒト乳突蜂巣に類似した蜂巣状の中耳骨胞を有しており, 生直後からほぼ成熟期に達する生後6カ月までの発育過程1)を観察できることから, 中耳の基礎的研究に用いられている2)3). しかし, 耳管, 鼓室を含めた中耳の上皮細胞形態についての研究は十分ではない. そこで, 正常なブタ中耳粘膜上皮の形態を走査型および透過型電子顕微鏡にて観察し, ヒト中耳粘膜上皮と比較検討した. 「II 材料および方法」 健康な雑種のブタ(雄親:ランドレース種とハンプシャー種の雑種, 雌親:デユロック種)の無処置耳18耳を用いた. 生直後(生後約5時間), 1週, 2週, 3週, 4週, 2カ月,...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 1992-04, Vol.95 (4), p.567-653 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I 緒言」 ブタはヒト乳突蜂巣に類似した蜂巣状の中耳骨胞を有しており, 生直後からほぼ成熟期に達する生後6カ月までの発育過程1)を観察できることから, 中耳の基礎的研究に用いられている2)3). しかし, 耳管, 鼓室を含めた中耳の上皮細胞形態についての研究は十分ではない. そこで, 正常なブタ中耳粘膜上皮の形態を走査型および透過型電子顕微鏡にて観察し, ヒト中耳粘膜上皮と比較検討した. 「II 材料および方法」 健康な雑種のブタ(雄親:ランドレース種とハンプシャー種の雑種, 雌親:デユロック種)の無処置耳18耳を用いた. 生直後(生後約5時間), 1週, 2週, 3週, 4週, 2カ月, 4ヵ月, 6カ月にて側頭骨を摘出し, 耳管, 鼓室, 蜂巣部より標本を採取した. 標本は断頭後3時間以内に2.5%グルタールアルデヒドにて固定, 1%オスミウム酸にて後固定を行った. 上昇アルコール系列で脱水した後, 走査型電子顕微鏡(SEM)用試料は酢酸イソアミルで置換し, 臨界点乾燥, 金蒸着を行った. |
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ISSN: | 0030-6622 |