双極子追跡法による聴性脳幹反応V波の起源推定

「1. はじめに」 近年脳機能局在解析の手段として, 放射性同位元素を体内に注入することにより脳内部の代謝の様子を観測するPET(positron emission tomograph), MEG(magnetoencephalograph), EEG(electroencephalograph)等を利用した様々な試みがなされてきた. 今回我々は21チャンネルから記録したEEGから, 双極子追跡法(Dipole Tracing Method:DT法)を用いて, 単耳刺激による聴性脳幹反応(ABR)の起源推定を試みた. 脳内に電気的な活動部位が存在すると, 頭皮上に電位分布が観測される. 活動部...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1991-12, Vol.94 (12), p.1880-1975
Hauptverfasser: 吉田悌友, 市川銀一郎, 桜井淳, 中川雅文, 宇於崎晴基, 武者利光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 近年脳機能局在解析の手段として, 放射性同位元素を体内に注入することにより脳内部の代謝の様子を観測するPET(positron emission tomograph), MEG(magnetoencephalograph), EEG(electroencephalograph)等を利用した様々な試みがなされてきた. 今回我々は21チャンネルから記録したEEGから, 双極子追跡法(Dipole Tracing Method:DT法)を用いて, 単耳刺激による聴性脳幹反応(ABR)の起源推定を試みた. 脳内に電気的な活動部位が存在すると, 頭皮上に電位分布が観測される. 活動部位が局在しないで広がっているときには脳の活動を正確に知ることは困難であるが, 活動部位が局在しているときは, それを単一の等価的な電流双極子で近似し, その位置とベクトルモーメントを求めることができる. この計算には結果(頭皮上で観測された電位)から原因(脳内の電気的な活動部位)を推定する逆問題解析を用いることになる.
ISSN:0030-6622