手術のコツ;唾石摘出術(顎下腺)

唾石は顎下腺に多く, 耳下腺, 舌下腺に稀である. 脱落した上皮や異物, 細菌どが核となるといわれ, 主として燐酸石灰が沈着したものである. 顎下腺唾石はWharton管内にあるものを管内唾石, 腺部との移行部にあるものを移行部唾石, 腺部にあるものを腺内唾石という. 唾石が管腔を閉塞し唾液の流出を阻害すると, colic et tumor salivarisを生ずる. 炎症が加わると発熱, 疼痛, 排膿がみられ, 口腔底の発赤, 腫脹, 顎下三角の腫脹を伴うこともある. 小さい唾石は自然にまたは唾影法施行時に排出されたり, マッサージにより押し出されることがある. 「I. 口腔内切開法で摘出...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1990-02, Vol.93 (2), p.336-337
Hauptverfasser: 金子敏郎, 内藤準哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:唾石は顎下腺に多く, 耳下腺, 舌下腺に稀である. 脱落した上皮や異物, 細菌どが核となるといわれ, 主として燐酸石灰が沈着したものである. 顎下腺唾石はWharton管内にあるものを管内唾石, 腺部との移行部にあるものを移行部唾石, 腺部にあるものを腺内唾石という. 唾石が管腔を閉塞し唾液の流出を阻害すると, colic et tumor salivarisを生ずる. 炎症が加わると発熱, 疼痛, 排膿がみられ, 口腔底の発赤, 腫脹, 顎下三角の腫脹を伴うこともある. 小さい唾石は自然にまたは唾影法施行時に排出されたり, マッサージにより押し出されることがある. 「I. 口腔内切開法で摘出し得る場合」 管内唾石で排出不能の場合, 移行部唾石でも一定の大きさで双指をもって前方に移動可能の場合には, 内瘻孔の新設により排除の可能性もあるので, 一応顎下腺摘出の前に試みるとよい. 術前に唾液管にmethylen blueなどの色素液1mlを注入しておく.
ISSN:0030-6622