鼻副鼻腔悪性リンパ腫の臨床的免疫学的検討

「I. 緒言」 耳鼻咽喉科頭頸部領域に発生する悪性リンパ腫は, その多くが, リンパ組織であるワルダイエル咽頭輪や, 頸部リンパ節に初発する. しかしながら, まれではあるが, リンパ組織外である鼻副鼻腔にも発生することが知られている1)~8). 鼻副鼻腔に発生した悪性リンパ腫は, リンパ組織のそれらに比較して予後が不良であるとの報告が多く1)~4), その予後不良の原因の一つとして, Yamanaka1)らは, 鼻副鼻腔に発生する悪性リンパ腫では他領域のそれに比較してTリンパ腫の比率が高いことを挙げている. また, 南九州を中心に感染の認められるヒトTリンパ球好性ウイルス(HTLV-DとT細...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1990-04, Vol.93 (4), p.554-699
Hauptverfasser: 内薗明裕, 福田勝則, 伊東一則, 牛飼雅人, 大山勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」 耳鼻咽喉科頭頸部領域に発生する悪性リンパ腫は, その多くが, リンパ組織であるワルダイエル咽頭輪や, 頸部リンパ節に初発する. しかしながら, まれではあるが, リンパ組織外である鼻副鼻腔にも発生することが知られている1)~8). 鼻副鼻腔に発生した悪性リンパ腫は, リンパ組織のそれらに比較して予後が不良であるとの報告が多く1)~4), その予後不良の原因の一つとして, Yamanaka1)らは, 鼻副鼻腔に発生する悪性リンパ腫では他領域のそれに比較してTリンパ腫の比率が高いことを挙げている. また, 南九州を中心に感染の認められるヒトTリンパ球好性ウイルス(HTLV-DとT細胞性白血病・リンパ腫との関連がここ数年注目を集めるようになってきている9). われわれの教室では昭和53年1月から昭和62年12月までに28例の鼻副鼻腔悪性リンパ腫を経験した. これらの症例について, 予後を左右すると考えられる要因について, 臨床的および, 免疫生物学的検討を行ったところ若干の興味ある知見が得られたので報告する.
ISSN:0030-6622